ソース製造会社「月星食品」(足利市錦町)が6月、クラウドファンディングを始めた。
同社は1895(明治28)年創業。社長の長沼幹雄さんは5代目。焼きそばソース、とんかつソース、ドレッシング、めんつゆ、たれなどを製造。長沼さんによると、焼きそばソースは足利市内の焼きそば店の約8割が使っているという。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、同社の取引先が予定していたイベントが次々と中止に。4月の売り上げは例年より4割減り、1,000万円以上の損失となった。イベント等で使われることになっていた加工用のイチゴ「とちおとめ」約2トンを在庫として抱えることになり、約200万円の損失が見込まれた。
スタッフから「ソース作りは得意。他では作れないフレッシュないちごソースを作ってみては」と提案があり、4月下旬に開発をスタート。試行錯誤を繰り返し、「とちおとめ」の特徴を生かした「とちおとめ いちごソース」(450円)が完成した。「ソースのPRにもなるので、クラウドファンディングをやってみないか」とスタッフからの提案があった。長沼さんは「集まった支援金の一部はいちごソースの自動販売機の設置費用にする予定。店が休みの日でも商品を買うことができる自動販売機を、前々から置きたいと考えていた。ソースの自動販売機は全国でもまだまだ少ない。話題になれば足利のためにもなると思った」と話す。
「とちおとめ いちごソース」について、広報の太田彩夏さんは「ヨーグルトやアイスクリームにかけるのがおすすめ」と話す。長沼さんは「パンやかき氷にも合う。気に入っているのは、ソース2に牛乳8の割合で作る『いちごミルク』」と笑顔を見せる。
1口1,000円~5万円の支援を募り、リターンは「とちおとめ いちごソース」を中心にオリジナルラベルのソースや同社商品など。支援期間は7月11日まで。「とちおとめ いちごソース」は同社敷地内直売所の他、公式ホームページ、アマゾン、楽天で販売する。