2020(令和2)年の新年を迎え、「大日尊鑁阿寺(ばんなじ)」(足利市家富町)は初詣客でにぎわった。
2013(平成25)年に本堂が国宝指定された同寺には、毎年多くの初詣客が訪れる。大みそかの深夜、除夜の鐘が鳴り響き、0時を迎えると初護摩がたかれた。風も無く穏やかで暖かい天気となった元日、参拝客の列は本堂から山門を出て、大門通り沿いに50メートル以上続いた。初詣に本堂前で手を合わせる人などが夕方まで多く訪れ、厄よけ後には札を手に持つ人の姿も見られた。同寺関係者は「例年ここまで列が長くなることは無いので参拝客は多かったようだ」と話す。
鑁阿寺内では「ひこまや」の芋フライや「大日茶屋」の足利シュウマイなど、地元ならではのフードを買い求める列もできた。石畳通りでは「はとや」のたい焼きにも行列ができるなど、参拝がてら周辺の散策を楽しむ人々の姿があった。宇都宮市から初詣に訪れたという85歳の女性は「足利には45年前まで住んでいた。引っ越してからも毎年来ている。自分の健康と孫の大学卒業を祈願した」と話していた。