宮沢賢治の童話を中心に、声と身体だけで表現し演じる人体交響劇「賢治童話の世界」が11月24日、足利市民プラザ(足利市朝倉町)文化ホールで開催される。
主催する「足利ものがたり文化の会」は幼児から社会人まで幅広い世代のメンバーで構成されており、毎年2回、発表の場を設けている。幼児は気持ちを盛り上げるために小道具を作ることもあるが、基本的に「人体交響劇」は身体表現のみで、衣装も道具も無い。
表現を指揮するようになって41年目になる代表の前田幸江さんは図書館などで読み聞かせ活動も行っている。前田さんは「指導を始めて最初の子はもう50歳くらいになっている。お父さんになって、その子どもを連れてまた一緒に活動している人も」と話す。
繰り返し練習することを目的にしているのではなく、子どもたちをはじめとする表現者たちが、テーマを持って時間をかけて話し合いながら表現し、発表する事を大切に活動している。前田さんは「賢治の作品の中には自然の奥行きや宇宙の流れという『心象風景』があることがとても良い。心の中の喜びや悲しみに名前を付けて表現している。ぜひ小さいお子さんがいる人にも感じてほしい」と呼び掛ける。
演目は幼児~社会人による「どんぐりと山猫」、小学生~高校生による「鹿踊りのはじまり」、高校生以上による「クンねずみ」。
13時開場、13時30分開演。入場無料。