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足利出身のクリエーターが自主映画を撮影 思い出の祖父母宅を舞台に

短編映画「カセットテープのAとB」撮影の様子

短編映画「カセットテープのAとB」撮影の様子

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 足利市出身でクリエーターの立澤直也さんが10月12日から2日間、市内で実写短編映画「カセットテープのAとB」の撮影を行った。

自主映画制作で監督・脚本・編集を務める立澤直也さん

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 監督・脚本・編集を務める立澤さんは、東京都内のアニメーション制作会社でアニメーション映画制作の演出助手に携わる。今回の製作のきっかけは、今年4月、築60年以上の祖父母宅に1人で住んでいた祖父が他界したこと。高松町にある祖父母宅を来年取り壊すことが決まり、「この家で幼少期の多くを過ごした思い出や記憶を映像で残したい」と考え企画したという。

 主人公のピアニスト・平松波瑠が、住人のいなくなった祖父母宅を訪れ、1本のカセットテープを再生し、祖母・陽子の声を聞いたことで2人の思いや感情が交差していくストーリー。作品タイトルの「カセットテープのAとB」は、立澤さんが祖父母の残したカセットテープを聴いたことにちなんで付けたという。立澤さんは「テープには再生機器や聴く環境で音の揺らぎがあり、多面性な人間に近い。波瑠と陽子の関係性とも重なる」と話す。

 撮影当日、カメラ、衣装、音楽などの担当スタッフは立澤さんの友人らが協力。波瑠役は、ピアニストで東京芸大音楽学部非常勤講師の横山希さんが演じた。祖母・陽子役は、役者で日本朗読文化協会講師の河崎早春さんが務める。

 12月に完成予定で、上映時間は約15分。立澤さんは「映画を見た人が2人の大切な日常を感じ、その周りにある余白を想像してもらえるような作品にしたい」と意欲を込める。来年国内外の映画祭に出品後、上映会を開催予定。

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