「生誕100年 相田みつを展 -いのちを見つめることば-」が7月13日、足利市立美術館(足利市通2)で始まった。
相田みつを(1924~1991年)は足利市出身の詩人で書家。「にんげんだもの」や「いま」「道」など、自身の生み出す言葉を、独特の文字で書く墨書で知られている。同市では今年5月に生誕100周年を迎えるに当たり、町を挙げて記念事業を行う。
記念事業の核となる同展では、相田みつを美術館の協力による墨書などの代表作を中心に、ろうけつ染めやパネルのほか、詩を掲載した学校教科書、愛用した道具などを公開する。市内の所蔵家や商店所有の作品を合わせて展示するのが特徴で、同館で開かれた相田みつをの企画展では過去最多となる約120点を展示し、中でも54点は同館初出展となる。20代青年期の書から晩年の作品までを展示し、足跡を振り返る。
一般公開に先立ち、12日に行われたオープニングセレモニーで、早川尚秀足利市長は「『足利でしかできない、足利ならではの展示』とは何かを関係者らと考えてきた。一般の所蔵家から作品をお借りし、合わせて展示することで、足利らしい展示ができ感謝している。市内外問わず多くの方に見に来てほしい。夏休み期間でもあり、子どもたちが作品に触れることで、これからの時代を生きていく礎としてもらえれば」とあいさつした。市内では関連の展示を史跡足利学校(昌平町)、足利商工会議所友愛会館(通3)、足利のわかりやすい歴史館(通1)でも行い、美術館と合わせ約170点の作品を公開するという。
同館の学芸員、篠原誠司さんは「自分というものを洞察し、深く掘り下げ、生み出した作品が、現代も人の心を打つ魅力につながっているのでは。『書と詩の融合』を体感してほしい」と来館を呼びかける。
開催時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は、一般=1,000円、高校・大学生=800円、中学生以下無料。9月1日まで。