足利の学童クラブ「エルマー学童くらぶ」が2月1日、「栃木県みどりの功労者 知事表彰」に選ばれた。
表彰は、県の緑化運動の推進など地域環境の保全に貢献し、功績が顕著だった活動に対して贈られる。小学生への授与は足利市では初めて。県内では3件目。
同クラブは、2018(平成30)年1月に環境省が特定外来生物に指定した昆虫「クビアカツヤカミキリ」の防除活動を2019年から行っている。県内では、2016(平成28)年7月に足利市で初めて成虫が発見され、現在県内9市町でサクラ・ウメ・モモなどのバラ科の樹木が枯れる被害が広がっている。
子どもたちは「クビアカツヤカミキリ」の活動が活発になる夏の放課後の時間を使い、同クラブの近所にある桜小学校(足利市千歳町)の桜並木で防除活動を続けた。昨年は、657匹を捕獲。多い日には100匹以上になったという。
活動を続けていく中で「クビアカツヤカミキリ」の「におい」にも着目。においは、6年生の江崎悠陽さんと岩下峻希さん、5年生の市本悠真さんが共同で、理科研究としてまとめた。研究に当たり3人は、国立研究開発法人森林研究・整備機構(茨城県つくば市)の加賀谷悦子昆虫生態研究室長へメールで質問を送り回答を得た。研究は市本さんが引き継ぎ、4年生の田中隼さんと共に来年も行う。
1日、宇都宮市の栃木県庁で行われた授与式には、新型コロナウイルス感染症対策のため、児童を代表して江崎さんが出席。福田富一栃木県知事から賞状を受け取った。江崎さんら児童10人と学童クラブ関係者2人は足利市役所も訪れ、早川尚秀市長に表彰を報告した。
早川市長は「放課後の時間を使い、校名にもある桜の木を守る活動が県知事から表彰されるのは素晴らしいこと」と喜んだ。