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足利の松村写真館が解体へ 築118年、惜しむ有志が写真展を企画

写真展を企画した宮本あかりさん(Torch)、鬼久保綾子さん(KINTOLOGY)、松村隆一さん、梁川健人さん(喫茶八蔵)(左から)

写真展を企画した宮本あかりさん(Torch)、鬼久保綾子さん(KINTOLOGY)、松村隆一さん、梁川健人さん(喫茶八蔵)(左から)

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 写真展「最後の松村写真館」が7月15日から、土産品店「足利叢林(そうりん、足利市大門通)」で開催される。

写真乾板12点、古い紙焼き写真100点を展示する

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 松村写真館(大門通)は、1893(明治26)年に同市内で創業し、1924(大正13)年に現在の大門通に移転した。4代目店主の松村隆一さんは「栃木県で2番目に古い写真館」と話す。木造モルタル造りの2階建てで、歴史的な建築物から映画「八日目の蝉」など、映画やドラマのロケ地として十数本の撮影実績がある。今年春、松村さんは解体を決めた。

 建物の解体について、松村さんは「東日本大震災の時は大丈夫だと思ったが、震災から3年後に雨漏りに気付いた。修繕するにしても多額の費用がかかる。まちの景観は大切だが、何かあったら責任を取るのは私。子どもの成長や結婚記念日などの節目で撮影するお客さまに申し訳ない」と話す。

 写真展は、閉館の知らせを耳にした市内在住でアパレル業の鬼久保綾子さんが周囲に協力を呼びかけ企画した。建物解体は、7月を予定していたところ、写真展のために8月へ変更したという。展示は、松村写真館向かいの足利叢林で行う。プライバシーに配慮しながら市内の建物や風景など、写真乾板12点、古い紙焼き写真100点を展示する。

 鬼久保さんは「解体の話を聞いて『仕方ない』で終わりにしていいのだろうかと感じた。今後のまちづくりを考えるきっかけになればと写真展を企画した」と話す。

 松村さんは「閉館のお知らせを貼ってひっそりと終わりにしようと思っていた。開館イベントなら分かるが、閉館イベントなんて聞いたことがない」と笑う。

 開催時間は10時~16時(24日は15時まで)。24日まで。入場料無料。

 松村写真館の営業は24日まで。スタジオ撮影は事前予約制で、予約は電話(TEL 0284-41-2664)で受け付ける。火曜定休。

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