「第16回足利切り絵会展」が足利商工会議所友愛会館市民ギャラリー(足利市通3)で11月19日、始まった。
足利切り絵会は、講師の吉村九虎(こう)さん、会長の阿部修二さんを中心に、織姫公民館(通6)で月2回活動を行っている。同会発足に尽力した初代会長で日本画家、金子芳功さんの逝去を悼み、金子さんの作品も展示した。
今回、講師の吉村さんのほか会員7人の作品に、「市民プラザ切り絵クラブ」会員の作品を合わせた計47点を展示する。「市政100周年・今昔物語」「東京オリンピック・パラリンピック」の2つの大きなテーマを設け、現在解体工事中の「足利市民会館」(有楽町)や、オリンピックやパラリンピックでの日本人選手の活躍を表現した作品などの力作がそろった。
「体験コーナー」は今回も中止とし、「足利歳時記」として過去の作品をファイルにまとめたコーナーを設け、自由に手に取れるようにした。2011(平成23)年の東日本大震災後から継続して寄付活動を続けている。今回も作品をポストカードやカレンダーにして販売した売り上げの一部を寄付する。
初日の19日は絶え間なく人が訪れ、談笑しながら会場を回る姿や、手に取ったファイルをゆっくり鑑賞する姿が見られた。市内から友人同士で来場した女性らからは「展示には都合がつく限り来ている」「オリンピック作品の躍動感に驚いた」「作品に空気感がある」などの感想が聞かれた。
阿部さんは「コロナ禍で、制作の場である公民館が使えず、各自が自宅で制作に取り組んだ時期もあった。会員にとってモチベーションを保つことが一番大変だったのでは」と今年の活動を振り返る。吉村さんは「コロナも現在は落ち着いており、無事に開催することができ良かった。個性豊かな表現や技法を多くの方に見てもらえればうれしい」と話す。
開催時間は10時~16時。入場無料。今月21日まで。