「足利スクランブルシティスタジオ」(足利市五十部町)が開設して1年たった。
同スタジオは2019年、俳優の妻夫木聡さんが出演する映画「唐人街探偵3」の撮影のために建設され、ネットフリックスオリジナル作品「今際の国のアリス」、2020年公開の映画「サイレント・トーキョー」の撮影にも使われた。撮影後にスタジオは解体される予定だったが、利用を希望する声も多く存続が決定。栃木スタジオシティプランニング(伊勢町)が運営し、2020年6月30日、使用が始まった。
同スタジオは1.5ヘクタール(1万5000平方メートル)の敷地にスクランブル交差点を再現し、改札や公共看板、道路脇の落書きまで精巧に表現している。交通量が多く撮影が困難なスクランブル交差点の描写が手軽にでき、東京とのアクセスの利便性から国内外の作品で利用された。乃木坂46「Wilderness world」のミュージックビデオやネットフリックスオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」の撮影にも使われた。
同スタジオ管理運営担当者は「昨年はコロナ禍のため、利用状況は良くなかった。利用者からは『実際に見るとすごい』『いい画(え)が撮れた。また使いたい』などの言葉をもらい励みになった。今後も期待に応えられるよう運営したい。このようなスクランブル交差点のセットは日本に1つしかない。映像にかかわらずイベントや撮影会など幅広いジャンル、多くの人に利用していただくために、いろいろな企画などを考えていければ」と話す。
足利市映像のまち推進課の担当者は「コロナ禍で予定していた撮影がキャンセルになるなど、撮影自粛期間を乗り越えて、少しずつではあるが撮影需要も伸びている。市の撮影拠点の一つである『足利スクランブルシティスタジオ』をぜひ活用してほしい。より多くの撮影が行われることで、市のPRはもちろん、ロケ地名所となってたくさんの人に市内を回遊してもらいたい」と話した。