木下晋さん、下川勝さんの二人展「ゆきゆきて心を重ねるII」が5月13日、ギャラリー碧(へき、足利市巴町、TEL 0284-21-3258)で始まった。
昨年の開催を予定していたが、コロナ禍で延期になり、2017(平成29)年以来2度目の開催となる。
富山県出身の木下さんは1964(昭和39)年、クレヨン画「起つ」で、自由美術協会展に最年少で入選。30代中ごろから本格的に鉛筆画に取り組み、10H~10Bの鉛筆を用いて22段階の濃淡を表現し、人物像を中心に描き続けている。ハンセン病の元患者、ホームレス、近年ではパーキンソン病を患う妻の姿など、「濃密で過酷な人生を送る人々」をモデルに描いている。
木下さんは自身の創作活動について、「突き動かされ描く」という。「自分に無いものを持つ存在、生き方に『心をつかまれ、正体を知りたい』という思いで向き合い、必然で描く」と話す。同展では新作を含む7点を展示する。
大分県出身の下川さんは群馬県館林市にアトリエを構え、国内外の美術館・画廊等で作品の発表を続けている。近年は、捨てられた廃品や着古した衣類や布などを用いて制作に取り組む。同展では新作として壁面に平面作品約30点、オブジェ3点を展示する。
同ギャラリーオーナーの山川敏明さんは、「2人共70代だが、情熱的で若々しく、強い制作への思いを感じる。テーマ性もあり、若い方が見ても得るものが多いのでは」と来廊を呼び掛ける。
入場無料。営業時間は10時~18時。5月19日休業。今月25日まで。