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足利市立美術館で「空間に線を引く」展 彫刻家のデッサンの魅力を探る展示

「若い女」。対象のデッサンを重ねることで、そのものの本質を捉えるという

「若い女」。対象のデッサンを重ねることで、そのものの本質を捉えるという

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 企画展「空間に線を引く-彫刻とデッサン展」が6月16日、足利市立美術館(足利市通2)で始まった。

人間や動物をモチーフとした新たな具象彫刻

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 東西の精神と造形を融合した橋本平八をはじめとする具象、抽象の現代彫刻家19人のデッサンを中心とした絵画と、それに関連した彫刻を展示するもの。同館学芸員の江尻潔さんによると「彫刻家にとって『描くこと』は、2次元から3次元を目指している点で画家とは異なり、視覚より触覚に訴え掛ける、いわば空間に線を引く感性に起因すると捉えることができる。彫刻家が制作に当たり、イメージを定着させるため描かれたデッサンは、画家が描くそれとは異なる魅力や美しさに富む」という。

 「立体作品である彫刻をさまざまな角度から鑑賞し、壁面に展示されたデッサンを同時に見ることで、彫刻家の視覚と触覚の連動、線の向こう側にさらに広がる彫刻への地続きの世界観、画家のデッサンにはないさまざまな要素が見いだせる」とも。

 関連プログラムとして、7月6日14時から対談「光を彫刻する」、21日10時からワークショップ「石を見立てる、石に描く」を開く(定員あり、要事前申し込み)。

 江尻さんは「彫刻家にとって絵画はあくまで彫刻の地続き。彼らのデッサンは線の強さや対象に宿る何かを引き出そうとするような感覚を受けると同時に、触れてみたい気持ちになる。実際に足を運び、視覚のみでなく、触覚に強く訴えかけてくる彫刻家のデッサンの魅力を感じてほしい」と話す。

 開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=700円、高校・大学生=500円、中学生以下無料。7月28日まで。

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