特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の駆除イベント「クビアカ-1グランプリ」が6月15日、足利市総合運動場(足利市田所町)の敷地内で開催された。
同イベントは、クビアカツヤカミキの防除活動を推進するための競技式イベント。環境省が特定外来生物に指定するクビアカツヤカミキリ(以降「クビアカ」)は、サクラ・ウメ・モモなどのバラ科の樹木に寄生する外来種で、幼虫が樹木内部を食い荒らし枯れさせてしまう。足利市では、桜の木を守る取り組みとして、薬剤や市民によるボランティア活動「クビアカみっけ隊」の防除を行っている。
市環境政策課の松島一司さんは「クビア防除活動の啓発を目的に、今回はより規模を大きくし、初めて競争型で実施した。防除活動に興味を持った福島県や群馬県など、市外からの参加者も多かった」と話す。
当日は県内外から75人が参加。制限時間1時間15分の間で、捕獲するクビアカの数を個人で競った。茨城県つくば市から小学生の娘2人と参加した女性は「意外と見つけるのが難しい。桜の木が枯れているのを実際に見ると『頑張って捕まえないと』と思った」と話していた。
競技終了後、捕獲したクビアカの集計中に、栃木県自然環境課の職員によるクビアカの生態を知る「クビアカ講座」も行われた。表彰式は、上位10人にオリジナルキャップやトートバッグ、標本、外来生物図鑑などが贈られた。
優勝した足利市立桜小6年の田中隼(はやと)さんは7匹を捕獲。田中さんは「優勝を狙っていた。上を見ながら、クビアカの赤い色を探すのがコツ。新しい木はあまりいないので、枝が枯れているような古い木を探した。次もまた優勝したい」と話す。