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足利のギャラリーカフェで石井克さん個展 自身を投影した近年の作品20点

石井克さんと作品「変相する森」

石井克さんと作品「変相する森」

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 足利のギャラリーカフェ「artspace & cafe」(足利市通2、TEL 0284-82-9172)で8月24日、企画展「石井克の現在(いま)」が始まった。

「石井克の現在」会場の様子

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 石井克さんは1941(昭和16)年茨城県水戸市生まれ、足利市在住。群馬大学学芸学部美術科卒業。制作を続けながら養護学校(現在は特別支援学校)の教員として働いた経歴を持つ。1961(昭和36)年の群馬県美術展入選をはじめ、数々の美術展受賞歴があり、著書に「生きること描くこと」(国土社)などがある。近年は「R293美術展」(佐野市)、「桐生市有鄰館ビエンナーレ」(桐生市)、「路地まちアートランブル」(足利市)などのアートイベントに出品するほか、北関東を中心に個展を開催している。

 今回の企画展は、同廊で2020年8月の「石井克の鳥」、昨年9月の「石井克の始まり」に続く3回目となる。石井さんの近年の作品に着目し、2015(平成27)年~2022年に制作したアクリル画やミクストメディアを展示する。展示作品は店主の岩本圭司さんが、制作年代の異なる複数枚の「自画像」「TERESEN」「変相する森」などを中心に、絵画20点を選定した。作品のタイトルにある「TERESEN(テレジン)」は、ナチスドイツの強制収容所跡があり、アウシュビッツやビルケナウへの中継点だったチェコの都市の名前で、石井さんが過去実際に訪れ、受けた衝撃が今も続く場所の一つという。

 石井さんは「感染症や気象問題など、社会に閉塞(へいそく)感があるが、絶望を感じても、それでも生きていく『希望』のようなものを絵の中に表現できれば、と願っている。作品にはそれぞれ『描いたその時の自分』が表れている。来廊した方には各々の自由な見方で見てほしい」と話す。

 営業時間は11時~18時(最終日は16時まで)。月曜・火曜定休。入館無料。9月4日まで。

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