
足利市教育委員会が6月30日、「足利市立小・中学校の新たな学校づくり基本計画(原案)」を公表した。
小中学校の再編案の7つのブロック設定(市公開資料を基に編集部が画像化)
足利市内の児童生徒数は1982(昭和57)年度の2万5448人をピークに減少し続け、2045年度には5533人まで減少することが見込まれる。少子化に伴い、複式学級や1学年1学級といった小規模校が増加しており、学習環境の維持や確保が課題となっている。
計画では、児童生徒数減少に対応するため、現在の小学校22校、中学校11校を、2041年度までに小学校8~10校、中学校7校に再編する。市内を7つのブロックに分け、各ブロックに小学校1、2校、中学校1校を配置する方針。2026年度から再編を開始し、2041年度まで4期に分けて段階的に統合を進める。
第1期(2026年度~2029年度)では、複式学級の解消を優先し、南・北ブロックで統合を開始。以降、中央・東・西ブロックなどを順次対象とする。統合校は原則として新たな学校として設置され、既存施設の活用も検討。通学時の安全確保のため、スクールバスの検討も進める。
再編に併せて、「未来をたくましく切り拓(ひら)いていく子の育成」を目的とする新教育方針「足利MIRAI教育」を推進する。義務教育9年間の小中一貫教育を基盤とし、「4-3-2」年制を導入する。小学校と中学校の教職員が互いの学校で授業を行う「相互乗り入れ授業」で「中1ギャップ」の軽減を図るほか、探究活動や異年齢交流などを通じて、主体的に学ぶ姿勢や社会性を育む。小学校高学年での教科担任制、チーム担任制の導入も進め、きめ細やかな指導を目指す。
大島一彦教育長は「未来の足利の子どもたちのため、より良い学びと心身の健やかな成長を実現するためには教育改革が必要。子どもたちを最優先に、教育の質の向上と地域連携の強化の両輪で推進していきたい」と話す。
市では7月7日から9月5日までパブリックコメントによる意見聴取を行い、7月から8月にかけて市内30カ所で住民説明会を開催予定。市民からの意見を踏まえ、最終的な基本計画を策定する。