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足利のデザイナーが文芸書 歌人・大槻三好と松枝の世界観を表現

「山風にのって歌がきこえる」と著者の惣田紗希さん

「山風にのって歌がきこえる」と著者の惣田紗希さん

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 足利市出身、惣田紗希さんの文芸書「山風にのって歌がきこえる 大槻三好と松枝のこと」が10月7日、タバブックスから発売された。

太田市美術館・図書館での展示(展覧会会場写真提供:吉江淳さん)

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 惣田さんは2013年に東京都から足利市へUターン。同市で開催された「あしかがアートクロス」のイラストを担当。書籍や雑誌、CDジャケットなどのデザインなど多方面で活躍するグラフィックデザイナー・イラストレーター。

 昨年、群馬県の「太田市美術館・図書館」(太田市東本町)で開催された「本と美術の展覧会vol.2『ことばをながめる、ことばとあるく 詩と歌のある風景』」に出展した作品がタバブックスの担当者の目に留まり、今回の出版に至った。昭和初期の歌人、大槻三好と松枝夫妻の短歌から選出したものにイラストを描き起こし、装丁、エッセーまでを惣田さんが手掛けている。「風」を感じる環境である太田市にちなんで、爽やかな色味のカバーにしたという。夫妻が同市の金山で逢瀬を重ねるなど、生活の一部に山があったことから、カバーの文字は山の土の色をイメージ。少し小ぶりなサイズは「松枝」の遺作「紅椿」と同じサイズにこだわった。

 大槻三好は生活の記録として短歌をつづったが、出版された歌集はすでに絶版となり、若くして死去した妻、松枝の亡き後、遺作として出版された「紅椿」も現在、入手困難となっている。惣田さんは「資料がどんどん失われていく中で、夫妻の歌を形にして残したい、配信したい」と話す。惣田さんのお気に入りは最後のページの和歌だという。

 惣田さんは「90年も昔の歌だが、生活の様子がありありと見えてくる。妻であったり、夫であったり、一人の女性として、一人の男性として、共感できるところが少なくないのでは。文語短歌とは違い、口語短歌は自由でみずみずしい。絵があることで想像もしやすい。タイトルにある『風』を感じる絵にした」と同書について話す。

 価格は1,700円(税別)。

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