足利市内でクビアカツヤカミキリの食害を受けたサクラなどの樹木の累計被害木数が、集計開始以降初めて前年度比で減少に転じた。
クビアカツヤカミキリは、サクラ・ウメ・モモなどバラ科の樹木に寄生する特定外来生物。幼虫が樹木内部を食い荒らして枯死させるため、2018(平成30)年に環境省が特定外来生物に指定した。栃木県内では2016(平成28)年7月に足利市で初めて成虫が発見され、市内の桜並木や公園で被害が拡大してきた。
同課によると、3月31日時点の累計被害木数は3453本で、前年度比45本の減少となった。2025年度の新規被害木は170本、伐採本数は252本に上ったが、減少の要因は伐採だけではないという。2022年度から実施している薬剤防除により、2022年度から2024年度までに計624本の樹木で幼虫の駆除が完了し「治癒」と判定された。内訳は2022年度109本、2023年度180本、2024年度335本と年々増加している。薬剤による治癒がなかった場合、累計被害木数は4082本に上っていたと市は試算する。
薬剤防除は成虫と幼虫の両面から行われている。成虫駆除のための薬剤施工は2023年度から2025年度の3年間で延べ1万1543本、幼虫駆除は延べ2530本に上る。福島県の樹木医と連携し、「不定根誘導防除法」による樹勢回復(木の生育する力を取り戻すこと)を兼ねた新たな手法の開発にも取り組んできたという。市民参加型の「クビアカみっけ隊」の隊員数は2025年度に579人と前年度比129人増加し、1年間で成虫3057匹を駆除した。
環境政策課の松島一司さんは「薬剤防除が被害木の増加抑制に一定の効果を上げている。こうした取り組みを積極的に推進したことで、ようやく成虫飛散密度と被害木の減少という形で成果が出てきた。引き続き、足利のサクラを次世代に残すための防除に努めたい」と話す。