足利のテキスタイルメーカー「ガチャマンラボ」(足利市山川町)が12月6日、「刀剣乱舞 ONLINE 足利銘仙ショルダー」の販売を始めた。
同社は2013(平成25)年、高橋仁里(きみさと)さんが創業。商品企画から生産、販売まで行う。高橋さんが手がけた商品は国内外の有名ブランドや商業施設に採用され、ファッションショーやインテリア装飾などに使われている。
今年2月、足利市立美術館(通2)で企画展「山姥切(やまんばぎり)国広展」が行われた。企画展に合わせて同社は、擬人化した刀剣を育成するオンラインゲーム「刀剣乱舞 ONLINE」でも人気のキャラクター「山姥切国広」をモチーフにしたオリジナルの足利銘仙の生地を作り、スカーフを製造販売した。キャラクターの色指定を足利銘仙の生地でどう再現するか、柄の割合や色合いについて代理店を通し、ゲーム開発元と何度もやり取りしたという。
商品開発のきっかけは、企画展でスカーフを購入した来場者から「サコッシュの山姥切国広バージョンを作ってほしい」という声だったという。同社は経済産業省関東経済産業局が主催する日本のものづくりの海外展開支援プロジェクト「CREATIVE-KANTO」の支援を受け、海外ブランド「エルメス」のデザインディレクター シャンタル・グラニエさん監修による足利銘仙のサコッシュをテスト販売した。高橋さんは「刀剣展をきっかけに足利銘仙やそれを手がける私たちの商品のことまで勉強している。さすが審神者(さにわ、刀剣乱舞ファンの通称)だなと思った」とうれしそうに話す。
商品開発は、8月ごろに始め、スカーフと同じく代理店を通し、ゲーム開発元とやり取りを重ねた。足利銘仙の生地はスカーフと同じものを採用するが、商品開発時に意識した点として、「審神者のために作るのだから御朱印帳も入れられるようにサイズを大きくした」「肩掛けひもはさまざまな服装に合わせられるよう、だいだい色と紺色の2色を用意した」と高橋さんは話す。
商品製造は国内生産にこだわり、足利銘仙の材料となる絹は群馬県産、糸へのプリントや織りなどの主工程は足利市と隣接地域で行い、縫製は市内で行っている。「一つ一つの柄の出方が異なり、縫い子さんごとにクセがある。一つとして同じものがない一点物としても価値を感じてほしい」とも。
高橋さんは「私たちが足利銘仙を手がける理由の一つに日本のシルクやかすり織物の啓発がある。現代ではほとんど触れる機会がなくなってきたが、この商品をきっかけに身近に感じてもらえたら」と話す。
価格は3,960円、売り切れ次第終了。販売場所は、太平記館(伊勢町3)、ガチャマンラボ公式通販サイトのほか、刀剣乱舞万屋本舗 池袋本店(東京都豊島区)・京都支店(京都市南区)・大丸東京支店(東京都千代田区)・通信販売所(ECサイト)で扱う。